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Date: Mon, 16 Mar 2015 16:40:25 +0900
From: Toshihide Tsuda 
Reply-To: publichealthnetwork@umin.ac.jp
Subject: [PHNetwork:000284] Re: [PHNetwork:000283] Re: 納得できる?(医療事故調査制度)
To: publichealthnetwork@umin.ac.jp (PHNetwork)
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In-Reply-To: <55067C15.6040105@pnet.forum.ne.jp>
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Hirocoさま
ご連絡ありがとうございました。
公的機関を使っての法律に基づいての調査でしたら、報告書は必要不可欠でしょう。それが
「刑事」「民事」「行政」いずれの裁判に利用されることも自由でしょう。当事者(被告・原告)双方のどちらに有利かはケースバイケースでしょう。
食中毒事件において、「
店側や店員が食中毒調査に協力を渋る」ことはありえても、調査されてしまいます。何を調査するかは決められています。全て決めてしまえばいいわけです。食中毒事件においても、刑事罰に利用されることもあることは皆さんよくご存じの通りです。食中毒事件に限らず、刑事罰の威嚇効果が作用して事情聴取に影響して、正確な証言が得られないことを恐れていては、全ての刑事事件における捜査(すなわち調査)が無意味になるのではないでしょうか?これでは「濡れ衣」だったとしても晴らすことは出来ません。病院や医師の評判が落ちたままです。一方、渋ったあげく証拠を隠せば証拠隠滅です。Hirocoさんが、医療事故調査を特別視される理由がよく分かりません。
取り急ぎご連絡申し上げます。 津田

2015年3月16日 15:45 Hiroco :

> On 2015/03/16 14:26, Toshihide Tsuda wrote:
>
>  食中毒事件は、食品衛生法で調査と報告が義務づけられ、食品衛生法施行令、
>> 食品衛生法施行規則、食中毒統計作成要領、食中毒事件処理要領、で事細かに何
>> をすべきかが事細かく定められ、その結果、誰もがその報告書を利用することが
>> でき、後々の対策の参考にもなります。また、刑事裁判にも利用されるのできち
>> んと調査して報告するようにと処理要領などに書かれています。
>>
>
> 津田先生、お返事ありがとうございました。
>
> 一口に裁判と言っても、「刑事」「民事」「行政」などの種類があります。私は 刑事裁判に医療事故調査報告書を利用するのは反対です。理由はこれまで何回も
> 申しているように、当事者や関係者に刑事罰の威嚇効果が作用し事情聴取に影響 する、正確な証言が得られない恐れがあると考えるからです。
>
> 一方、民事(損害賠償)に報告書を使うべきか、その辺りは私も考えが定まって いません。遺族側の立証責任が困難であることを考えると、事故調査報告書を利
> 用した方が良いかも知れません。公正な報告書であれば、裁判の負担軽減、ある いは、裁判外の和解で済むなど、原告、被告双方に利点もあるでしょう。ただ、
> お金の問題も証言に影響するのか、いちおう検討が必要でしょう。
>
> (ちなみに交通事故の場合、俗に赤本、青本と言われる事例集があって、事故の パターンごとに細かく類型化され、警察官の事故調書を元に機械的に過失割合や
> 賠償金が定まるのだそうです。基本的に裁判所も保険会社も赤本、青本を使って 決めていると聞きました。)
>
> 話が変わりますが、食中毒事件の場合、飲食店に保健所の調査が入り問答無用で 営業停止処分×日というイメージがあるのですが、保健所が調査と処分の両方の
> 権限を持つことで、店側や店員が食中毒調査に協力を渋るなどの弊害はないので しょうか?
>
>
>
>
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Hirocoさま
 ご連絡ありがとうございました。
 公的機関を使っての法律に基づいての調査でしたら、報告書は必要不可欠でしょう。それが「刑事」「民事」「行政」いずれの裁判に利用されることも自由でしょう。当事者(被告・原告)双方のどちらに有利かはケースバイケースでしょう。
 食中毒事件において、「店側や店員が食中毒調査に協力を渋る」ことはありえても、調査されてしまいます。何を調査するかは決められています。全て決めてしまえばいいわけです。食中毒事件においても、刑事罰に利用されることもあることは皆さんよくご存じの通りです。食中毒事件に限らず、刑事罰の威嚇効果が作用して事情聴取に影響して、正確な証言が得られないことを恐れていては、全ての刑事事件における捜査(すなわち調査)が無意味になるのではないでしょうか?これでは「濡れ衣」だったとしても晴らすことは出来ません。病院や医師の評判が落ちたままです。一方、渋ったあげく証拠を隠せば証拠隠滅です。Hirocoさんが、医療事故調査を特別視される理由がよく分かりません。
 取り急ぎご連絡申し上げます。                                                        津田

2015年3月16日 15:45 Hiroco <tajima@pnet.forum.ne.jp>:
On 2015/03/16 14:26, Toshihide Tsuda wrote:

 食中毒事件は、食品衛生法で調査と報告が義務づけられ、食品衛生法施行令、
食品衛生法施行規則、食中毒統計作成要領、食中毒事件処理要領、で事細かに何
をすべきかが事細かく定められ、その結果、誰もがその報告書を利用することが
でき、後々の対策の参考にもなります。また、刑事裁判にも利用されるのできち
んと調査して報告するようにと処理要領などに書かれています。

津田先生、お返事ありがとうございました。

一口に裁判と言っても、「刑事」「民事」「行政」などの種類があります。私は 刑事裁判に医療事故調査報告書を利用するのは反対です。理由はこれまで何回も 申しているように、当事者や関係者に刑事罰の威嚇効果が作用し事情聴取に影響 する、正確な証言が得られない恐れがあると考えるからです。

一方、民事(損害賠償)に報告書を使うべきか、その辺りは私も考えが定まって いません。遺族側の立証責任が困難であることを考えると、事故調査報告書を利 用した方が良いかも知れません。公正な報告書であれば、裁判の負担軽減、ある いは、裁判外の和解で済むなど、原告、被告双方に利点もあるでしょう。ただ、 お金の問題も証言に影響するのか、いちおう検討が必要でしょう。

(ちなみに交通事故の場合、俗に赤本、青本と言われる事例集があって、事故の パターンごとに細かく類型化され、警察官の事故調書を元に機械的に過失割合や 賠償金が定まるのだそうです。基本的に裁判所も保険会社も赤本、青本を使って 決めていると聞きました。)

話が変わりますが、食中毒事件の場合、飲食店に保健所の調査が入り問答無用で 営業停止処分×日というイメージがあるのですが、保健所が調査と処分の両方の 権限を持つことで、店側や店員が食中毒調査に協力を渋るなどの弊害はないので しょうか?